日本の戦後〈下〉定年を迎えた戦後民主主義



日本の戦後〈下〉定年を迎えた戦後民主主義
日本の戦後〈下〉定年を迎えた戦後民主主義

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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報道とのつきあい方

この下巻では、上巻に引き続き、佐藤栄作の頃から、小泉政権までを振り返っている。著者自身が生きてきた時代であり、しかも、この期間は大部分、ジャーナリズムの世界にいた。そのため、その時の新聞報道、著者自身の当時の考えと、今現在知っている事実や思いが随所で対比され記述されている。それにしても実に驚くのが、新聞などの報道が実に不正確であったという点である。保守反動の急先鋒のように見られていた佐藤栄作が、実は社会党、共産党などより平和主義者であったことや、1000万を超える犠牲者を出したと言われる中国の文化大革命や北朝鮮が理想とされ、多くの国民がそれを信じていたこと、バブル経済が実の繁栄だと多くの専門家が真面目に信じていたことなど、今振り返って見ると実に滑稽でさえある。素人から見れば評論家や新聞の記事は信頼の置ける情報にも思えるのだが、やはり、少ない時間で出来ることには限りがあるということなのだろう。著者は自分自身報道の立場にいたはずなのに、かつての自分の誤解、見誤りなどを極力隠さず記述するようにしている。しかし、そのおかげで私たちは、今の危機意識を煽る報道にも冷静さを持って対応が出来るようになるように思う。つまり、この本は、戦後日本民主政治の総括であると共に、ジャーナリストである著者自身による、報道へのつきあい方も示唆されている。




講談社
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